19人の姉妹たちが、ほぼ毎日日記を更新していきます
もうそろそろ――
新しい環境にも慣れたか?
――ん?
新しい学校のことだ、もちろん。
新しい家族には――
もうすっかり慣れただろうからな。
フフ――。
春はなにかと落ち着かない季節だ。
新しい学校、新しい学年、新しい環境――
妹たちも――みな、どこか浮き足だって、
ソワソワと落ち着かない様子をしている。
ただ、制服が変わっただけ――
ただ――バッジにつける小さな数字が変わっただけで。
勝手に感じてしまう――
嬉しいような不安なような、
これから何かが起きるような期待感。
わけもなく――
何かとんでもないことがやってくるような
期待と不安で胸を躍らせて――
そう、きっとオマエまで――。
愚かなことだ。
そんなことは――何も起こるはずがないのに。
私たちは――
滅びてこの宇宙の塵となるまで、
淡々と、ただこの日常を続けるだけだ。
その日常に起こる有為変転など――
本当に些細なもの。
私の魂は――そんなことでいささかも変わりはしないし、
影響を受けはしない。
ただ――
ただ、この家族とともに、
永遠に滅びる日を待つのみだ。
……
ただ――
ただ、ほんの気まぐれに。
日々の退屈を追いやるために――
この興奮の中に身を置くのも悪くはないと思う時もある。
オマエは今――
興奮しているか?
それならその興奮を――私にも少し、分けてもらおうか。
フフ――
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作/公野櫻子
イラスト/みぶなつき
日記イラスト/霧賀ユキ
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あらかじめご了承ください。




霙姉さんが欲しいならいくらでもあげる
このドキドキを
やっぱり新しい学校となると
不安と期待と好奇心―――わくわくせざるを得ないよ♥
夕凪や氷柱がワーキャー騒ぐのも分かる気がするよ
そうだね、見方によっては些細な事かもしれないけど
やっぱり僕もこの日々に興奮してるよ
うん、霙姉さんも一緒に楽しんでくれる気になったのなら嬉しいな
でも忘れないでね姉さん
姉さんとの日々は僕にとってちっとも些細じゃないんだ
本当に何もかもが違って見えて
この気持ち、本当は霙姉さんと一緒味わいたいんだから
霙姉さんは相変わらず冷めてるなあ
おおっと、クールだと言った方がいいかな?
俺はすっごく興奮してるよ!
新しい学校に転校して、その上これからは高校生
しかもみんなと一緒に通えるときたもんだ!
興奮しないはずないだろう!!
…でもね
実はそれ以上に、みんなの制服姿に興奮したよ
なんていうか…
制服っていいよね!!
え?
この興奮を分けてほしいって?
いや、別にいいけど…
霙姉さんもモノ好きだな…
制服好きなの?
新しい家族と一緒に暮らせるようになったあの日――
それ以降の僕には、あの日を超える興奮は感じた事がありませんね。
新しい環境になろうともマイペースを貫くのが僕のやり方ですから。
まぁ少し早起きしないといけなくなったのが
ほんの少し――面倒くさいくらいですね。
姉さんは、この終末へ近づく日々が退屈なのですか?
踊る阿呆に踊らぬ阿呆
同じ阿呆なら踊らにゃ損々
とか言いましてね。
たとえ何も変えないほんの些細な事だとしても――
ボクはこの幸せな日常を、精一杯楽しめればなと思います。
で、霙姉さん。
興奮を分けるって一体どうやっt――
何だ、結局霙姉さんだって興奮してるんじゃないか。
フフ、素直じゃないんだから――って
あっ、やめて、そんな冷たい視線を浴びせないでっ。
すみません、調子に乗りすぎました――
興奮というか不安というか……
確かに、春は何か気持ちが昂ぶっちゃうよ。
霙姉さんはいつも落ち着いていてちょっぴり羨ましいな。
本当に何があっても平常心でいられるのかな?
ちょっと試してみてもいい?
うん、学校は少しずつ慣れてきた感じかな
というか学校よりもハウスのほうが
慣れるのに時間かかった気がするよ
この時期に浮き足立つのはよくあること
みんなが期待や不安に心を躍らせているところに
水を差すようなことはいかがかなと思う今日この頃です姉さん
僕なんて今までと環境が180°くらい変わって
秘める思いも人一倍なところ
何も変わらないわけはないのです
そりゃ興奮もするよ
この興奮を
どうすれば霙姉さんにも分けられるのか
とりあえず
如何様に致しましょうか
霙お姉さま、この前は見苦しいところを見せてすまなかった。
夕凪と氷柱は今日からいつもと変わらなくて、ちょっと安心したよ、これからは一家を支える長男として気をつけるようにします
今日で新しい学校へ入って1週間がたちますが、クラスの方はなぜか、顔をあわすとクラスの男たちはみんなかしこまってしまって席も周りは男子ばかりですがね・・・
学校の方は休み時間には春風お姉さまと蛍が1日におきにお昼の弁当を持ってきてそれでそこに毎日のように立夏とたまにヒカルがきて家族仲良く食べてます、授業はその・・・それがしは頭が悪く、ちょっと、歴史と数学以外はついていけませんがね、そのおかげで氷柱さんからはいつも「バカね・・・」って言われてしまいます。
今は家も学校も楽しくできて毎日がたのしいです
興奮・・・?まぁ今日はだれが日記書くのか待ってて興奮してましたがね
霙姉さんなんだか今日の日記、海晴姉さんや春風姉さんみたいだよ…
ホントに霙姉さん?また誰か代筆とかしてるんじゃないだろうね?
そういえば霙姉さんも今年は受験の歳だから
あんまりはしゃぎすぎるのもよくないのかな…
僕たちはもう終わったばかりだけど。
肩くらいならマッサージするからお互い勉強がんばらなきゃね…
これで興奮を少しわけてあげることできるかな…?
日常の変化は些細なものかもしれない。
でも、永遠に変化の無い終末とくらべたら一瞬一瞬に素晴らしいものですよ
僕は最期の一瞬まで日常というものを楽しんでみたいと思います
霙ねぇも一緒に楽しもう
美味しい和菓子のお店探してきたから今度の休みに一緒に行こう
そうですね〜みんなと会ってこの家に住んでからもう3ヶ月ちょいかな〜早いもんだな・・・ああ、学校ね・・・
まぁボチボチって所かな〜だけどすぐに慣れてみせるよ
フフフ・・・俺がこの学校の番格に君臨する日もそう遠くないかな・・・よりよい家族との学校生活のために!
その感覚、きっと正しいと思いますよ?なぜなら俺がこの学校に来たからには楽しいことやびっくりすること幸せなことでいっぱいになるもの!そう俺居る所に幸せあり・・・俺の幸せ計画は既にスタートしているのさ!
霙姉もこれから巻き起こる幸せ騒動にきっと興奮せずにはいられなくなるはず!
グッバイ退屈な日々、ウェルカム興奮と幸せの日々・・・
フッフッフ・・・・・・燃えて来たぞぉ!!
そう・・・観月の言葉を借りるならば・・・すごい――興奮じゃ――
興奮が全身からあふれ出て湯気が・・・!
フォオオオオオオオオオ!!!
いざいざ!霙姉にも俺の興奮を注入!!!!
どう!?興奮パワー溜まってきた?
煮え立つマグマのように体が熱く・・・うおおおおおおおおおおお!!!!!!!
霙姉はのんびり屋なんだねー。
俺は霙姉と一緒の学校に通えてとってもうれしいよ。
学校で会ったらよろしくね、霙先輩笙・
興奮を分けて欲しい?
じゃあ明日の放課後は散歩がてら
春限定の和菓子食べ歩きにでも行こっか!
霙姉さん――
僕と興奮を、
分かち合いましょう――
ともに、
滅びゆくまで――
確かに、新しい環境だと多少浮き足だってしまうかもね
まあ、半ば風物詩みたいなものだし
見ている分には面白いかな
自分も他の人から見たら面白いんだろうけど
ところで、興奮を分けて欲しいって言われても…
とりあえずどこか出掛けてみる?
学校には大分慣れたよ。
ヒカルも春風姉さんも気を使ってくれるし、
何より他の皆も同じ学校って言うだけで大分ね。
まぁ、クラスの連中に皆の事で色々やっかまれるけど、
これはもう勲章みたいなものだし。
新しいクラス、違った環境。
そういった物に身を置く事の緊張感と言うか、
一種未知への好奇心とか高揚感っていうのはあるよ。
姉さん、新しく買った本を読むときに、
気分が高揚したりすること無いかな。
ああいった感覚と似たような事だと思うんだよね。
退屈を押しやる……か。
それじゃあ姉さん、今から散歩にでも行こうか。
雨も上がったし、綺麗な星空が見えると思うから。
たまにはそういうのも――悪くないよね?
馬鹿じゃん
感情を他人にシェアするなんてこと――
できるわけ無いじゃん。
例えば――
授業の終わり方になって急にトイレに行きたくなってでも手を上げて席を立とうとすると「あと○分で終わるからそれまで待ってなさい」って言われたときのあのどうしようもない抑えられない感じ――
ああ――
こいつに俺の苦しみを少しでも分けてやりたい――
そう思っても何もできないんだ。
僕がこの家に来てどれだけ幸せか
これからの生活がどれだけ楽しみか
霙姉さんにはちっとも伝わってないみたいだし――
でもね、感情は風邪みたいに伝染すことはできるんだよ
春風さん直伝――
必殺★★タァーーーッチ!!!
…
どう?
伝染ったかな?
霙姉さんが感じる興奮は僕の興奮とは少し違うかもしれないけど
感染源は同じ――
親と子―兄弟―僕たち家族みたいな間柄だね
霙姉さんも何か伝えたいことがあったら
真似してやってみると…あ…やっぱいい!やらないで!
何も起こるはずがないって、
そんなことは無いんじゃないかな
俺がみんなの、家族の一員になれたのは
素敵な奇跡だったと思うよ
そう、あの日――母さんに会うまでは
俺も奇跡が起きるなんて考えもしなかったけど
あの日からは毎日毎日、もちろん今だって
素敵な何かが起きるようなワクワクを感じてるんだ
フフ、姉さんはそんなこと無いって言うだろうけど
俺と話してるときの姉さんは
結構テンションが高そうなんだよ?
だから、知らず知らずのうちに俺の興奮―ワクワクが
伝わってたのかな?
もしそうだったら嬉しいな
だって、俺との距離が縮まってる、ってことだからね笙・
新しいクラスには霙ほど印象的な人は居なかったからね
もうだいぶ落ち着いたよ
――いや、褒め言葉のつもりじゃないよ?
俺は何から何まで新しいからね。未知に触れるのは、やっぱり期待したり不安になったりするよ。
でも、表には出してないつもりだったんだけどね。
さすがは霙姉さん、ってトコロかな。なんか、姉さんには隠し事できなそうだ。
――うん、いいよ。じゃあ、手を貸して。
――――どう? 俺の熱、伝わってる――?
新しい環境でドキドキしているけど・・
これが興奮しているってことかな
どうやって分けてあげたら良いんだろう・・・
そろそろ僕も新生活にも慣れてきたよ、霙姉さん。
思えば去年のクリスマスから駆け抜けるように日々が過ぎてきたから、今みたいに何もない日常がかえって新鮮に思えてきちゃった。
世界が滅びると姉さんは言うけれど、せめてこの平和な日々が終わるまでは、滅びないといいね。
慣れたと言えば慣れた。けど、本当に此処がこれから自分が生きていく場所なのか?
と、考える時はある。考えさえすれば、何でもそうなのかもしれないけど。
些細な変化も些細な存在にとっては、結構重大な事だったりするけどね。
ま、ただ滅びを待つのもつまらないし、もがき足掻くのも悪くは無いよって
霙姉ちゃんには言うまでも無いか。只の悲観論者じゃないし。
そんな日々の退屈を重ね、さらに重ね。
きっと気がつけば掛け替えのない思い出になるんだろうね。
って、み、霙姉さん……ち、近すぎて照れるよ……
え?そ、それは、うん。嫌じゃないけど。
むしろ、霙姉さんの優しい匂いが…………
ああああ、なんでもない、ないから。
新しい学校は、もう何もかもが新しくて、気が引き締まるというか、興奮してきて……春だからね。
でもどんなにみんながドキドキして浮き足立っても、この平和な生活は変わらないから、些細なことでもドキドキ出来た方が、楽しくなるんじゃないかなあ……
でも興奮なんてどうやって霙姉さんに分けたら…?
「興奮を分ける」面白い発想ですね。
でも、残念ですがお分けすることは出来ません。
興奮は共感するもの。霙姉さん自身が、心で感じとって下さい。
まったく姉さんは終末終末言うが
今を生きている俺らには明日が大事だってーの。
ま、姉さんの考え方もある種、アリだとは思うがね。
それに捕らわれすぎるのもどうかと思いますよ?
ふふふ、生意気言ってごめんなさい。
いやぁ立夏とか夕凪見てるとどうもね。真璃は年長さんになったし、虹子も今年は遠足があると言う。皆それぞれに新しいことがありすぎてワクワクせずにはいられないんさ。きっと。
昔から踊るアホウに見るアホウ、とか言う文言があったけど
どうせ塵になるなら踊らにゃ損、ソン♪ じゃねーの?
俺の興奮を分けてあげてもいいけどね…霙姉さんには何か趣味とか無いの?
新生活ってのは何かを始めるに良い区切りだ。何か、興奮を覚えるものを自分で開発してみては?
意外と楽しい生活になるかもしれんよ?
もう眠いよパトラs・・・ドラ焼きの君。
お察しの通り職場で浮いてる者です。 そう呼んだほうがいいでしょう。
ああ〜あ、明日になんかならなきゃいいのにぃ〜♪
塵に還るまで現実逃避の毎日だよ☆ HAHA☆
興奮? 仕事で疲れてるんだ。 明日にしてくれ。
な〜んて言ったら、夫婦倦怠期。 要バイアグラ。 マカビンビン。
霙姉さん、夜這いですか? 興奮して眠れないから夜襲ですか?
私ぁいつでもウェルカムだから素直に抱いてっていいなよ♪
下ネタに走っても虚しさは変わらない。 新しい物事への不安と期待。
どちらも精一杯楽しめりゃ塵になって後悔しないだろうさ。
だから退屈ならもっと不安になってもっと期待してみて。
退屈を忘れるから。 See You Space Cowgirl.
じゃあ霙姉ぇ、興奮を分けてあげよう。
早速中学の復習ってことで出された大量の宿題を片付けるのを手伝っt……ちょ、霙姉ぇ無言で立ち去らないで。
わかりました!
とりあえず明日は手を繋いで学校へ行きましょう!
日常って言葉には
きっと、日々の些細な変化も含まれているんじゃないかな
いつか全てのものが滅ぶように
世界には変わらないものなんてないんだと思う
でもそれは当たり前のことだから
それも含めて僕は日常と呼びたいな
そして、そんな日常を家族と共に生きていけるのは
本当に嬉しいよ
僕が興奮してるというなら
この喜びに対してかな
みぞねーだって同じこと感じれると思うよ
学校は、まだ慣れてねーよ…ま、色々あってなガッコ嫌いだったから(苦笑)
家族には…驚かされっぱなしだが慣れた。
だが、霙姉ぇの様にそういつも落ち着いてはいられないな、俺の性格では。ちょっと羨ましいかな。
興奮ねぇ…終末っておーきなものに比べるとたいしたコトないかもしれないが面白いぜ。毎日が新しいものだらけなんだからな。
些細なコトでもいい。よーく見てみろよ霙姉ぇ。
結構、面白いものがそこらに落ちてるぜ。
ん、学校のこと?
――ま、そうだよね。ここはすっかり、帰る場所だからねぇ。
学校のほうは、ぼちぼち慣れてきたとは思うよ。
制服は、馴染むまでもうちょっとかかりそうだけどね。
――相変わらずだなぁ、霙姉さんは。
言わんとしてることはわかるけどね。
でも、そうでもないと思うよ?
まぁ納得できる部分もあるけどさ。宇宙から見りゃ、俺たちの日常なんて塵か埃か、それ以下の些細なことだし。
だけど、俺たちから見りゃ、十分大した事だからさ。
環境が変わる、制服が変わる、それだけでも、十分に楽しくて期待しちゃうもんだよ。
・・・先週のアレは、ちょっと行き過ぎだっかかもしれないけど。
それに実際、俺自身も環境が変わって、毎日楽しくて、明日は何が起こるかわかんないって感じだしね。
――この家に来てから。
だからさ、まぁ偶には霙姉さんも――
そういうのに身を任せてもいいんじゃないの?
俺のでよければ、幾らでも分けてあげるからさ。
気を遣ってくれてありがとう、霙姉。
入学して1週間。やっと慣れてきたよ。・・・・・って言いたいところだけど、本当は、まだ地に足が付いていないようだよ。みんなのおかげで、家の生活にはもう慣れたのは事実だよ。でも、学校生活は、正直言って、なんか、・・・・すごくばたばたしてた。
去年末の編入試験。これが終わったらすぐに高校入試。まぁ、入試は比較的楽だったけどね。で、形だけの合格発表が終わったと思ったら、周りは卒業ムードでいつの間にか卒業式。そして、先週入学式―――――。
母さまが迎えに来てくれた日から、自主勉強しかしていないっていう感じなんだよね。授業ってモノを受けるのが、本当に久しぶりで。その授業って言うのも、細分化されて聞き慣れないものばかり。数学?とか理科?の『?』ってなんなの?現国って国語と違うの?・・・もう、混乱してるんだ。なんか変なこと言ってるかなぁ?
授業だけでなく、他の面でも、見るモノ全てが今までの中学と違って―――。
校舎や、講堂はもちろんだけど、教室やクラスメイトもなんだか雰囲気が違うんだよね。
あと、そう、ヒカル!教室で、ヒカルを見たことが無いんだ。もともと、あまり話しかけるなって言われてるからちょうど良いと言えばそうなんだけど、・・・ねぇ、霙姉、ヒカルって僕と同じクラスだったっけ?・・・なにもかもが混乱して。絶対変なこと言ってるよね?
・・・・・・・でもね、こんな僕を察してか、クラスメイト達は、みんな僕に優しくしてくれるんだ。まぁ、中学のとき同じクラスの人が多いって言うのもあって、僕が編入生って事は結構知ってくれてるみたいなんだけどね。それよりも、みんなとなら、仲良くなれる・・・そうじゃないな、仲良くしたいなって思っているんだ。
だからね、授業の不安と、学生生活の期待。たぶん、家族の中でも、ひょっとしたら立夏よりもすごいことになってるんじゃないかって――――。
いつも平常心の霙姉が本当に羨ましいよ!これも最高学年の余裕か、・・・いや、霙姉にも進路とかいろいろあるんだよね。その中でも平常心でいられるのは、さすが姉さんだよ。
・・・・・・・霙姉。僕の方こそ、霙姉の平常心を分けて欲しいな。
良い方法がある!たまにでいいから、僕の教室に来て。そして、僕を教室の外から見守って欲しい。そうすれば、霙姉は僕の興奮を見て共有できるし、僕は、霙姉の視線を感じて安心することができる。・・・・大丈夫!先週、何度か春風の視線を感じたことがあるんだ。どこにいたのかは分からなかったけどね。でね、そのとき、普段はそんなこと思いもしなかったのに、なぜか春風の視線で平常心を取り戻したんだ!だから、きっとうまくいくと思う。
・・・・・・・ごめん。僕、なんか変なこと言ってるよね?どうかしてるよね――。
春か、僕にとってはへこむことばっかりだね。
不安とか…不安とか。何も起きなければいいなぁ。
でも霙姉さんは何も起こりはしないって、
日常に起こることなんて些細なことだって言う。
僕もそんなふうに強くなりたいな。
家族みんなとの生活には慣れてきたよ。
毎日いろいろあって楽しい。
霙姉さんの言う滅びの日まで、ずっとこの生活が続けばいいと思うな。
そういえば霙姉さんは少し前に日記を書いたばかりだから、
今日は他の子の番だと思ってたんだけど…。
姉さんが書いてくれるのはうれしいけど、妹の番を取っちゃだめだよ?
えー。……別にいいですけど。分け方なんて分かんねえですよ。
つーか暇つぶしに興奮したいってのもちょっとアレだな……まあいいや。
そんじゃ、霙さん言うところの、淡々とした日常における興奮ポインツ探しでもしましょうか。
……しかし、気のせいか最近ナチュラルに興奮気味じゃねえですかアンタ。
私にはみぞれが十二分に興奮してるように見えるけれど
私としてはその興奮を2・3分といわずに半分ぐらい分けてほしいんだけどな
なんとか…かな?
昔から新しい環境に慣れるのは人と比べて時間がかかるタイプだったからね。
…家族に慣れるも何も無いよ。
ただ、そうあるだけだからね。
いやそれが…
俺ってこういう時とにかく不安ばっかりが出てくるからねぇ。
今までこういう時期にロクなことがなかったからかもしれないんだけどさ…
…そんなに退屈かな?
まあ毎日ドタバタしてるのも考えものだけどさ。
………俺にとってはこの家族に会えたってことは
些細なことなんて言えないよ。
だからさ、そんなに大袈裟なことじゃなくてもいいからさ
その退屈にしか見えない日常にほんの少しだけ
何かしらの変化を期待してみるってのも
いいんじゃないかな…ってさ。
………おっと。
何だかんだ言って俺も浮かれてたみたいだね。
これもまた、一つの変化ってやつかな。
いや興奮とは少し違うかも…
…………いやちょっと近っ…!
…ん、手繋ぐだけか。
……別に何か期待してたわけじゃないって。
宇宙はビックバンから始まって、やがては熱的死を迎えてどうたらと、霙姉さんの言うとおり宇宙も終焉を迎えると、カール・ホーガンの「宇宙の歴史」という本で読んだことあるよ。
その本には、生命の神秘というか、生命がやどる地球という星そのものが奇跡だとも書いてあった。とにかくこの本を読んだときは興奮したね。霙姉さんも一度読んでみなよ。宇宙を一年間のカレンダーに集約すると人間の誕生は、12月31日の11時58分になるとも書いてあり、僕たちはさらに人類の長い歴史のほんのわずかな時間しか生きてないということ。宇宙の歴史から見れは本当に短い時間しか生きてない。
そして、考え、物を作ることができる人間として生まれてきたことすら、ものすごい奇跡で、その上こんな素敵な19人の家族に出会えるなんて、これ以上ない幸せで、心が躍る。
学校はまだ入って一週間だからこれから慣れるところかな。
そういや先週は皆新入学や新学期で落ち着かない感じだったね。
まあ春だから仕方ないかな、姉さんの言うように何も起きないかもしれないけど
もしかしたら新たな環境に身を置く事によって何か起きるかもしれないから。
宇宙規模で見たら僕の日常なんて些細なことだけど僕にとっては日常を精一杯生きることが大事だしね。
うん、僕は新しい環境でワクワクしてるよ。姉さんにもこの高揚感を分けてあげられたらいいな。
新学期が始まって何日か経つけど、まだ浮き足立ってる感はあるかな。
進級ならそんなに変わらないかもしれないけど、進学だとやっぱり違いが大きいし……
ま、確かに姉さんの言うとおり、いきなり何が変わるわけでもないんだけどね。
ただ肩書きと制服が変わっただけで、中身は一ヶ月前と何も変わらないのに……
それでも何か、ここから変わっていけるような気がしてくる私は単純なのかな。
姉さんが言う安穏な日常も悪くは……いや、寧ろ好ましいと思うけど、たまにはこういうのもいいんじゃないかな。
結局何も変わらなかったとして、そういう時期にそういうものを楽しむ醍醐味ってのもあるしね。
姉さんとも、一緒に楽しめたら嬉しいな。
★後志神威です。
霙さん、日記どうも。
新学期。徐々に授業や学校にも慣れてきた。
桜も葉桜になり、気候も不安定ながら確実に次の季節にへと向かっている…
そう…誕生日を迎えたり、こうして新年度を通じて…
『…年を取る事に後悔と1日が過ぎていく恐怖を感じた…』
この一節は僕の好きな歌の歌詞の一部。
平凡な人生よりも大事な人と這い上がるくらいの気持ちで過ごしていけばいい…と…
結構意味深な感じがする…
霙さん…ちょっとした歓喜や新学期への期待…
新生活は確実に人生の終末へのカウントダウンの区切り。
でも、そんな中でも僕たちは毎日を過ごしている。
確実に…その1日を全力で過ごす…
人間は必ず滅ぶ…不老不死なんて幻想に過ぎない。
みんな死への恐怖を心の何処に抱きながら…今日も…生きる。
いや…生かされているのかな?
が、僕は…いや、僕達は!生きている!
後悔しないように…だからこそ毎日の新たな発見や冒険に心躍らせるのかもしれない…
霙さん…心を共有して…この深淵にちょっとだけ輝く僕たちの星を眺めてみない?
それでは、また。”聖なるゴッドカシオペア”より
新しい生活には慣れたよ。先週学校を案内するって言った春風お姉ちゃんはほぼ毎日学校案内をしに教室に来て、学校全部同じ場所を何回も案内してもらったから、学校で知らない場所はない。
リッカちゃんの教室が見えるところに行くと、リッカちゃんはすごい速さで来ることにいつも驚いている。今日の昼休みもリッカちゃんに興奮を分けてもらった。
霙お姉さんにこの興奮を分けるよ。
興奮ってどうやって分ければいいんだろうか、いつも興奮を分けてもらってるが誰かに興奮を分けるのは難しいことだな。
「オマエは妹の話をするときいつも興奮してるな」か、興奮を分けることができたのかな。今度霙お姉さんから興奮を分けてほしいな。
興奮とか言って、霙姉も少し浮足だってたりしてない?
………いや、してないですか。スイマセン。
流石に、おれは……、世界終末とかまで見通せないから、家族はともかく、学校変わるだけでも一喜一憂はしてしまうよ。
こないだの映画で「終末こえ縲怐vてなってしまうくらいだし。
でもこう言うのは、受けとる側の認知次第と言うか、霙姉も、一度浮足だってみれば、意外にそう言うのも悪くないと、そう思うかもしれないぜ?
おれの興奮とかで良ければ、いくらでも分けたげるよ。
問題は、その興奮の分けかたですが……。
……なにをやってもおればかりが興奮しかねないなあ……。
やっぱり春というのは人をわくわくさせる力を持ってると思うんですよ。
終末があるかもしれませんが今日という一日を楽しむのにはなんの弊害にはならないと思いませんか?
みぞねえと学校に行けるだけで毎日が興奮ですからいくらでもわけますよ!
ええ?またまたそんな大人ぶっちゃって霙姉さんはもう。
霙姉さんって変化に強い方?
僕は変化には弱いからどきどきするな。
期待3分の1、不安3分の2ぐらい。
霙姉さんはあるかどうかも分からない期待で興奮するタイプじゃなくて、実際の出来事で興奮するタイプなのかな。
じゃあ僕の期待を聞けば少しは興奮を分けてあげられると思うよ。僕のエキサイトしてる心を見て興奮してよ。
ごめん霙姉、何か興奮しすぎて頭がおかしくなりそう。
ちょっとだけ話を聞いて欲しいんだけど――
今日の――昨日に予定されていた――このパーティーは何なの?
何に巻き込まれているの?
海晴姉さんは――、一体、何を言っているの?
また、返事が遅れた、か。
いや、申し訳ないな。霙。
確かに、お前の言うとおり、浮かれているのだろう。
フッ……新しい生活。新しき学び舎、友。
正に、お前が言うとおり、一つ数字が変わったに過ぎんのだが、これはこれで新しくなっているものさ。これがな。
確かに森羅万象、天地神明、大いなる絶対意思の前にはこのような変化など些細なものだ。
だがな、俺達はここにいる。ここにいるから、変化を感じられる。些細と切り捨ててしまうには惜しいほど面白いものだ。
お前の高潔なる魂がこの程度で揺らぐ片鱗すら見せぬと言うなら、面白い、揺らがせてみるもまた一興。
しかとその魂に刻み込むがいい。悠久の刻、その一片に刻まれし僅かな刹那にも満たぬ、それでいて久遠よりも永遠なるこの一瞬をな。
はてさて、本当にささいな事なのかな?
少なくとも俺はそうとは思わないな…
毎日がただ過ぎていくなんて言うけど、そう考えたくはないな…
なら逆に聞くけど、霙姉さんにとって?俺?という家族が突然現れた事も些細な出来事なのかな?
もしそうだとしたら、けっこう悲しいな…
そりゃあ、大いなる時の流れの中では、どんな事だって些細な事になるけど、少なくとも俺の中では大きな出来事だよ。
…まあ、霙姉さんがそう思うなら、俺がどうこう言う気はないけど…
…話を変えるけど、人の興奮って分けたりできるものじゃないんだよな…
まあ、心臓の鼓動を確かめさせるぐらいならできるけど…
ん、どうやってって?…そりゃあ相手の手を自分の胸に触れさせて…
(数日前の春風との出来事を思い出して思考停止中…)
…ま、まあそういう事で、じゃ、じゃあ今日はこの辺で。
そう――だね、さすがに1週間やそこらで慣れたとは言えないけど――
でも、学校でもヒカルや春風さんや――それに霙さんも一緒だしね。
みんなが一緒にいてくれるお陰であんまりヘンな緊張とかはしなくて済んだから――
気分的には楽かな。
むしろこの家での生活の方が毎日驚かされてばっかりだよ。
毎日のように色んな事が起きるし、何かイベントがある度にすっごいパーティするし、
ホント毎日毎日面白くって――
あ、こんな日常を十何年も過ごしてれば、確かに学校が変わるくらい些細な事なのかな?
でもさ、確かに春になったからって何が起こるってワケでもないかもしれないけど――
世の中には突然家族が20人も増えるなんてサプライズがあるんだから、
意外と捨てたモンじゃないと思うよ?
――興奮のお裾分け?
はは、俺の興奮で霙さんの退屈をどうにか出来るか分かんないけど――
じゃあこないだ夜桜見物に誘ってもらったお礼も兼ねて、
何か退屈しのぎになりそうな事でも探してみましょっか。
慣れたことは慣れたけどまだ完全ではないかな。
新しい学校に通ってまだほんの一週間しか経っていないんだし。
でも中学校の時よりは早く慣れた気がするよ。
春は新しいものとの出会いで溢れてるから浮き足立つのは仕方ないと思います。
新しい環境に出会った時、人は少なからず興奮や不安を覚える。
僕が新しい学校に入った時は興奮よりも不安のほうが大きかったなぁ。
でも春風に手を握られて学校中を案内してもらっている内にその不安はだんだんなくなっていった。
もしかしたら彼女の手から伝わる温もりが僕の中の不安を消してくれたのかもしれないな…
………あの、霙姉さん、何で僕の手握ってるんですか?
えっ?いやいや、手を握られて興奮したって誰も言ってないですよ。
僕が興奮したのは案内が終わる頃に起きたアクシデントなんだけど
あれの興奮はさすがに分けるにはちょっと…
ワクワクしてるよ〜。
同じ学校へ行って…同じ家に帰って。また明日も…。
せっかくだから、こんなドキドキも楽しんでみようよ。
学校での生活なら慣れたよ。ヒカルがいろいろ世話してくれたりするし。至って快適な学校生活だよ
この家族の方も慣れたね。妹達といると毎日新鮮だよ。今まで無かったものが一遍に手に入った感じ…なんだと思う。俺には兄弟も姉妹もいなかったからね…だからいきなり19人姉妹と会った時の衝撃といったら――人生最大の衝撃だったんじゃないかな?
この世で起こる事には何の意味も無い…と言っていた人もいたっけ…まあ、それはいいとして、霙姉さん。姉さんの魂に――俺という存在は影響を与えている?
与えているなら――俺って凄くね?