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2017年4月8日(土)
ARアイドル・ユナ役の神田沙也加さんが歌う挿入歌にまつわるエピソードも解禁!? 伊藤智彦監督インタビュー!【後編】

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2月18日の全国公開以来、国内劇場観客動員数が160万人を突破、国内興行収入も22億円を超え、国内のみならず海外でも大ヒットを記録している『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』。

伊藤監督が語る『劇場版SAO』制作秘話、その後編をお届け!

>>>前編はこちら

 

『劇場版SAO』挿入歌の歌詞に秘められた意外なエピソード

 

監督が好きなのは

人間味あふれるあのキャラ!

 

――『SAO』シリーズで監督が好きなキャラクターを教えてください。

伊藤:TVシリーズではシノン、劇場版ではエイジですね。エイジはかっこつかないなぁっていうところが好きです。彼は最初のバトルの時、「ついてこい!」ってかっこよく敵に向かっていくんですけど、実は誰もついてきてない(笑)。アクションはかっこよく決まってるんですけどね。キリトやアスナはいろんなものを超越している、いわゆる俺TUEEEEキャラなので、それに比べると人間味があるのかなぁと思います。うちの妻も、「主人公より、エイジのほうが地に足がついている感じがして、感情移入しやすい」とは言ってましたね。キリトたちと違ってちょっと頼りないというか、「がんばれ!」って応援したくなるというか。そこがいいところなんですよね。自分がさまざまな経験を経て大人になったから、そんな彼に共感してしまうのかもしれません。

 

――エイジのお話が出たところで、同じゲストキャラクターの1人である重村についてもお話をうかがえますか? 重村を演じた鹿賀丈史さんのアフレコ収録時は監督みずからブースに入られたとか。

伊藤:とにかく難しい専門用語が多かったので、鹿賀さんの隣で1つ1つ用語を説明して、その場で収録して、OKかどうか2人で確認しながら調整していきました。

 

――鹿賀さんというと『料理の鉄人』のイメージが強いですが、あの時の華やかなキャラクター性に比べると、重村はかなり地味に思えます。

伊藤:必要以上に演技するとおのずとラスボス感が出てしまうので、抑えめに、とお願いしましたね。

 

――劇場版オリジナルキャラクター・ユナについても、ちょっと変わり種の質問をさせてください。監督はユナに彼女、妹、姉、幼なじみ、先輩、後輩の中なら、どんなポジションでいてほしいと思いますか?

伊藤:1つのジャンルにしぼるのは難しいですね。彼女でもないし、妹や姉でもない……。幼なじみみたいなもの、というのがぴったりくるかもしれないですね。つかず離れずというイメージです。

 

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▲アスリートのような卓越した運動能力で、《オーディナル・スケール》ランキングナンバー2を誇るエイジは、キリトに敵対するダークヒーローとして登場。《オーグマー》の開発者である重村教授は、一見穏やかな紳士だが――。

 

――ユナ役・神田沙也加さんが、TVシリーズ第1期で《アインクラッド》の《はじまりの街》で流れるBGM「the first town」のメロディーに乗せてアカペラで歌ったシーンは、アフレコスタジオで収録したとうかがっています。収録時のエピソードなどうかがえますでしょうか。

伊藤:あの曲はサントラCDには収録されていないんですけど、それはあの部分しか歌詞がないからなんです(笑)。実際に使う部分だけしか、俺が歌詞を考えていなかったので(笑)。

 

――えっ、あの曲は伊藤監督が作詞されたものだったのですか?

伊藤:俺が考えました。絵コンテ段階ですでにあの歌詞が書かれています。メロディーはTVシリーズの時の劇伴をテンポを変えて使っています。“歌もの”の収録は、シーンを一旦終えてから改めて収録することが多いんですけど、神田さんの場合、とても上手いので、「流れの中で歌ってください! 歌い終わったら、そのまま次のセリフいってください!」って進めてもらいました。

 

――あの曲はお芝居の流れで収録されたものだったんですか……! あまりにすばらしくて、聴いていて鳥肌が立ちました。では、今後もCDなどの収録予定は……?

伊藤:ないですね。聴いていただくには劇場で観ていただくか、Blu-rayやDVDを買っていただくしか……。もし神田さんにOKしていただけるのであれば、俺が歌詞を改めて書きたいですね。そうすると俺に歌詞印税が入ってくるっていう(笑)

 

(一同爆笑)

 

――カラオケでも歌えるようになったら、ファンは大喜びですね(笑)。

 

 

 

バトルシーンとシンクロして盛り上がりは最高潮!

印象深い挿入歌は?

 

――ユナの楽曲の中で、特に印象に残っているのはどの曲ですか?

伊藤:バトルシーンと盛り上がりがシンクロした曲が印象に残ってます。秋葉原でクライン率いるギルド《風林火山》が戦っているシーンなんか、すごく好きです。《風林火山》のメンバーが、第十層ボスモンスターの鞭状の範囲攻撃を盾でなんなく受け止めたあたりから、その戦いっぷりをエイジが見下ろしている――までの一連のシーンですね。「longing」という曲のコーラス部分とシーンの盛り上がりがぴったり合っていて、「なぜ主役じゃないキャラクターのバトルシーンでこんなにかっこよくハマってるんだ!?」という。この贅沢感! 担当しているアニメーターの松本(顕吾)さんが上手いっていうのもあるんですけど、あそこの音楽とのシンクロ具合がすごく好きですね。

 

――あのシーンは「あの攻撃を盾で受けるの!?」という感じでした。いわゆる「梶浦節」全開の特徴的なコーラスから始まる曲の演出もあいまって、盛り上がりがすごかったですね。《風林火山》の底力を見せつけられた気がしました。TVシリーズにはなかった多人数でボスモンスターに挑むレイド戦の醍醐味が詰まっていますよね。

伊藤:あのアクションシーンの絵コンテはすべて鹿間(貴裕)さんに担当してもらったものです。各パートの作画監督・アクション作画監督にもがんばってもらいました。あとは、ユナが新国立競技場で歌う「Break Beat Bark!」ですね。川原さんからは「2曲くらい歌わせてくださいよ!」と言われましたが、「無理です」と。

 

(一同笑)

 

伊藤:ライブのカットの尺が長くなりすぎるから、フルで1曲にさせてくださいとお願いしました。その裏でひそかに行われる、キリトとエイジの対決シーンも好きです。あとは最後にユナが歌う「smile for you」ですね。実はもとは「smile for you」という最後の歌詞はなかったんですよ。曲のデモが上がって映像にハメながら確認している時に「ん? なんだか見覚えのない歌詞があるんですけど!?」って気がついて、目で作曲の梶浦(由記)さんに訴えたら、ニヤリとされまして。「曲を作ってる時に、あるといいかな、と思って歌詞を足してみました! よかったら使ってください!」って(笑)。「!? わかりました!」となりました(笑)。

 

――梶浦さんはTVシリーズから楽曲を担当されていますし、気心が知れたチームならではのエピソードですね。神田さんの歌の収録には、伊藤監督も立ち会われたとうかがっています。

伊藤:そうなんです。神田さん、上手かったですね! いろんなところで言っていますが、そのひと言に尽きます。本当に、お願いしてよかったです。

 

――今回は東京近郊が舞台ということで、いわゆる聖地巡礼に行くファンも多いようですが、実際にどの辺りまでロケに行かれたのでしょうか? 

伊藤:重村が在籍している東都工業大学のモデルについては、作中で重村が講義をしている教室なども実物そのままですね。

 

――他には秋葉原UDXや代々木公園、明治神宮も登場していましたね。

伊藤:明治神宮は入り口の宝物展示室の看板もしっかり出ていますね。あのシーン、海外版では字幕まであったんですよ。みなさん聖地巡礼される時はぜひ、キリトみたいに寝そべらないようお願いします(笑)。あの場所でキリトが警備員さんに「ゲームしすぎないようにね」って注意されるシーン、実は俺のあの場所での実体験から来ていまして……。ポケモンGOをやろうと思ってポケットから出した瞬間に、落として画面を割ってしまったんですよ、買い替えたばかりのiPhoneを……。

 

――なるほど、監督にとってある意味思い出深い土地だったというわけですね。

伊藤:警備員のおじちゃんのあのセリフも、その体験から来ている戒めのようなものです。

 

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▲かつて《ソードアート・オンライン》で攻略組の一角を担ったギルド《風林火山》のリーダーであるクライン。恋多き男でもある彼は、ARアイドルのユナにメロメロ♡ 生身の人間とは思えないと評されるユナの透き通った歌声を神田沙也加さんがみごとに演じた。

 

 

 

エンディングロールまで必見!

最後まで見てほしいという気持ちから生まれた演出

 

――エンディングロール後には、本編の続きとなるおまけ映像が流れました。最後のカットは脚本にはなかったとうかがっていますが……。

伊藤:あの手法は『アイアンマン』や『キャプテン・アメリカ』などで知られる『MARVEL』作品を意識したものです。エンディングロールが流れ始めるとすぐ席を立ってしまうお客さんがいますけど、我々としては劇場が明るくなるまでいてほしいんです。最後まで見てもらうにはどうすればいいかみんなで考えた末、こういう演出を仕込んだらいいんじゃないか、となりました。

 

――その試み通り、Twitterなどでもファンの間で「エンディングロール後がすごい!」「最後まで席を立たないで!」と話題になりました。

伊藤:「SAO will return」ということで、みなさん続編にご期待ください!

 

――ゲームのほうではすでに《アリシゼーション》編のメインキャラクターが登場し、演じるのはアリス・シンセシス・サーティ役に茅野愛衣さん、ユージオ役に島﨑信長さんとの発表がありましたね。

伊藤:原作サイド・アニメサイドともに太鼓判を押したキャスティングです。俺はキャストさん同士の関係性もけっこう気にするほうなんですが、島﨑さんは松岡さんとの仲を考えても、彼しかいない! と数年前から思っていました。茅野さんもアリスのイメージにぴったりですし、ファンの方にも納得していただけると思っています。

 

――では、間もなく新シリーズ始動ということに……!?

伊藤:トランキーロ! それはいつかという話で……楽しみにお待ちください(笑)。

 

――『劇場版SAO』で初登場となったARマシン《オーグマー》について、川原氏は原作小説のほうでもフォローしたいとお話されていました。

伊藤:実は最初は、劇場版のノベライズみたいなものを出そうという構想があったんです。結局その話はなくなったんですが、川原さんも「劇中でこれだけ人気のあるガジェットだったら、原作でも拾わないわけにいかないと思っています」という話はされていましたね。

 

――本日は貴重なお話ありがとうございました。最後にファンへのメッセージをお願いします。

伊藤:まだ『劇場版SAO』を見ていないという方はもちろん、1度ご覧になった方も、第8週の来場者特典のネタバレ本を読んでからまた見ると、きっと新しい発見があるに違いないと思います。「こんな見方があったのか!」「こんなところ気づかないよ!」という角度がきっと見つかると思うので、ぜひまた劇場に足を運んでいただけるとうれしいなと思います。

 

――ありがとうございました!

 

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▲一瞬しか映らないシーンも見どころ満載! もう見たという方も、ぜひ何度でも劇場に足を運んで、大迫力の映像と音響、そしてキリトたちが紡ぐ人間ドラマを体感してほしい!

 

 

 

インタビュー前編>>>

『今だからこそ語ることのできる『劇場版SAO』のエピソードを公式ネタバレ本で公開!?』に戻る

 

 

【プロフィール】

伊藤智彦(いとうともひこ)

愛知県出身。アニメ演出家。『ソードアート・オンライン』シリーズ監督。2016年には『僕だけがいない街』(監督・絵コンテ・演出)で、巧みな心理演出を披露した。本作の大ヒットを受けて、メディアに映画監督としての活躍を期待されている。

 

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(C) 2016 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/SAO MOVIE Project

2017年4月8日(土)

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