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2015年12月29日(火)
『アウトロー・ワンダーランド』特設サイト 03 佐山みすゞ

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~佐山みすゞの修業時代~

著:田中ロミオ

キャラクターデザイン:saitom

 

佐山みすゞは時代遅れのヤンキー少女だ。17歳。
家賃四万二千円のボロアパートで、父と二人暮らしをしている。
問題のある父親であった。
なにしろ働いているより無職の期間が長い。暮らしぶりは死ぬほど貧しかった。
顔だけは整っていた父親が、ろくに働きもせずにどのようにして生活費を賄ってきたのか、想像することはさほど難しくない。女に養ってもらうのである。いわゆるヒモだ。
そんな安易な男だから、すぐに使い込む。
酒、ギャンブル、風俗……ひととおりやる。古い言い方をするなら飲む打つ買うの三拍子であった。
みすゞは父親のそういう生き様が大嫌いで、だから家庭内はいつも荒れていた。
「てめークソ親父、あたしの稼いだバイト代……また勝手に使い込みやがったなあっ!! 言えっ、何に使ったんだあ!?」
「怒んなよみすゞ。金はなァ、酒スロ女……あとはガンプラに使っちまったんだ、悪いな」
悪びれもせずに父は言う。みすゞの怒りは心頭に発した。
「てめー! このっ……てめー、このぉっ! あああん? あはあああああんっ!?」
怒るほど、みすゞの語彙は乏しい。
みすゞは高校進学にあたり、学費を自力で支払う約束を父としていた。毎月バイト代が振り込まれる通帳を預けていた。だが今日、学費の未納を理由に、高校から退学を迫られた。
預けた金が見事に使い込まれていたというわけだ。
言葉にならない怒りは、別の形で表出した。
暴力に明け暮れた中学時代、全身の関節をうまいこと駆動させることでマッハパンチを完成させたみすゞは、その必殺パンチを実父に叩き込んだのだ。
父はひとたまりもなく、積みガンプラの山に顔面から突っ込んだ。
今まで父に手を挙げたことはなかった。みすゞは一線を越えてしまった。
「な、殴りやがったな!? 娘に殴られるなんざ生まれてはじめてだ! 俺は男をぐーで殴る女は大っ嫌いなんだよ! 出て行け! おまえなんか娘でも何でもねーよ!」
「上等だよ! 夜露死苦の反対だってんだよ! 出て行ってやんぜっ! あばよ!」
こうしてみすゞは、家出少女となったのだ。

「……ちっ、280円しかねー」
着の身着のまま出てきたため、所持金はそれしかない。
もっとも自宅をあらいざらいあさったとしても、千円札の一枚でもあったかどうか。
「今、これで牛丼って食えんのか? ちっきしょう、学食ならカレー一杯で250円なんだってのによォ……」
みすゞに行く当てはない。仲間もいない。天然記念物レベルの純粋なイッピキオオカミなのである。
ガードレールに腰掛けて、道行く人々を眺める。
古色蒼然たる不良スタイルのみすゞから、誰もが反射的に目をそらす。怖いから。
が、一種類だけ怯えない人種がいることがわかる。
女子高生だ。
彼女らは見下すような目でみすゞを一瞥し、すぐに友人との談笑に戻る。まるで女子として自分たちが上と言わんばかりの態度に、みすゞは反発を覚える。
「……チッ」
あの目で見られると、いつも腹の底が煮えくりかえる。だが手は出せない。
不良相手なら女子相手でも遠慮はしないが、パンピーだけはダメだ。殴ったら、終わる。女子力に殺されるのは御免だった。
「……へっ。気分悪ィや」
下校時間だからか往来には女子高生が増えてきた。みすゞは居心地の悪さを感じ、その場を離れる。
これからの生活に思いを向けた。
ホームレスではバイトもできない。日雇いならやれそうだが、未成年の女子を使ってくれる現場などあるはずもない。
ではどうする? とりあえず、どうやって生きていく? 考えると頭痛がしてした。
わずか280円の現金で、何日食いつなげる?
みすゞは自動販売機の横を通りかかる。大好物のレア飲料、ホットいちごが売っていた。
「……………………ほ」
これからのことを考えると本当に頭が痛かった。
わずか160円の残金で、今後どうやって食いつないだら良いのか……。
悩みながら当て所もなく夕方の街を歩いていると、モヒカン・ピアス・タトゥーという世紀末ファッションが目に付いた。向こう見ずなスタイルの若者が四人、中年サラリーマンを路地に押し込んでいたのだ。
「……あいつら、何してる?」

 

この続きは「電撃G’sマガジン」2015年12月号に掲載!

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2015年12月29日(火)

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