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2019年2月19日(火)
【ネタバレ注意】沼津で酒井和男氏(監督)、加藤達也氏(音楽)、杉山大樹氏(撮影監督)が登壇! 『ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow』舞台挨拶をレポート!

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現在全国の劇場にて公開中の完全新作劇場版『ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow』。2月17日(日)には、沼津にあるシネマサンシャイン沼津にて制作スタッフ3人が集って劇場版を語るという、とっても貴重な舞台挨拶が行われました! 笑いを交えながらもこだわりの部分を時間いっぱい話していただいた今回の舞台挨拶。気になる当日の内容の一部を特別にお届けします♪

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※この記事では一部『ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow』の内容に触れている箇所があります。本作をまだ観てないという方は、劇場でご覧になってから読むことをオススメします!

※なお、こちらのレポートは一部補足や説明を加えておりますのでご了承ください。

※酒井監督がCYoRon!とともに前回登壇した舞台挨拶の模様もまとめていますので、気になる方はこちらをチェックしてみてください→ http://gs.dengeki.com/news/126092/

 

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――まずはそれぞれの役割を教えていただけますか?

 

酒井和男(以下、酒井):監督は作品全体の調整役です。スタッフ陣と打ち合わせをして、それぞれの担当箇所を進めていただいています。みなさんの制作の元となる、絵コンテの制作も重要な作業です。

 

加藤達也(以下、加藤):自分はキャストの方々の演技のうしろでかかっている、劇伴の音楽を作らさせていただいている立場になります。

 

杉山大樹(以下、杉山):撮影というのは、人物や景色をデータ上で合成して1カットの映像へと仕上げる仕事です。照明や反射の光などを加えて、最終的にみなさんが観る映像に仕上げています。これは元々、本当にカメラで「撮影」して行っていた作業でした。その名残で今も撮影と呼んでいますが、実際はパソコン上で行っています。

 

――作品が完成してみての感想はいかがでしょうか?

 

杉山:肩の荷が下りて、とにかく安心しました。アニメーションの制作工程で「最後の砦」と言われる撮影は、完成のギリギリまで監督たちとともに制作に携わっていましたので。

 

加藤:シーンごとにそれぞれの音楽を作っているんですが、作品全体を通して音楽のプランを練る作業を繰り返し何度も行っていたため、本編を観るとそれらの試行錯誤がまるで走馬灯のように思い出されていきました。とても思い出深かったです。

 

酒井:多くのみなさんのお力で完成して、本当にほっとしております。

 

 

――TVシリーズと劇場版ではどんな違いがありましたか?

 

杉山:微々たる違いではありますが、色彩が少し変わっています。劇場とTVでは、照明の色といった視聴環境が違うのでTVシリーズでみなさんが観た印象から変わらないように意識しました。それにともなって、瞳のハイライト処理や髪のグラデーション表現などを再構築しています。これらとは別に、イタリアでは空の青さを強調するような光の色にしています。

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加藤:TVアニメ1期・2期では最初にメインテーマをがっつりと作曲し、そこから発展させていろんな曲を作っていきました。劇場版でももちろんテーマとなるメロディーは作っていますが、それは1曲の曲としてはアレンジを完成させず、あくまで作品全体のテーマメロディとして存在し各楽曲に発展させていく作り方をしています。当初、劇場版はどんなストーリーになるんだろう、どんな音楽を作ればよいのだろうと日々思いを馳せていましたが、酒井監督や音響監督の長崎行男さんにお話をうかがった時にパァッと開けていく感じがしたんですね。劇場版で僕が描くべき音楽も見えたのだと思います。

 

酒井:劇場版では「変化」に対してどう向き合っていくのか、ということを意識しました。沼津のお店や人も景色も、ちょっとずつ変わっていきます。同じようにAqoursもこれから1つ学年を積み重ねます。そうして街も人も自分たちも変わっていくけれど、それらを享受して先に進む、という変化を千歌たちがどう受け止めるのかを、特に意識しました。変化を受け入れて、全部ひっくるめて自分たちの糧にして生きていくことを、劇場版では彼女たち自身の言葉で言っています。この答えをしっかり描くということが、自分の使命だと感じていました。

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――作中、ここを観てほしいという場所はどこになりますか?

 

杉山:いくつかありまして、まず「逃走迷走メビウスループ」のダンスシーンの途中で夜になってからは、光の粒子をキラキラっと回して格好よく見えるよう強調しました。「Believe again」ではスミア光という、一筋の線に見える光を横向きに表示していまして、ひたすらに格好よくしています。それに衣装に照り返し(光の反射表現)が、身体の曲線に沿って立体的に入っているんですけれども、実はこれが非常に大変でして……。3Dモデルはデータ上に奥行きがあるのでよいのですが、(2Dで)作画したものに同様の処理を行おうと思っても、そこには平面の情報しかありません。そのため新しい手法が必要になりました。それから冒頭で千歌ちゃんが紙飛行機を投げるシーンは、太陽からの入射光を途切れ途切れにして、雨粒を思わせるような表現にしています。これは終盤で虹が架かる描写の伏線になっているんです。虹が架かる前って、雨が降るじゃないですか。ちなみに虹が架かったあとは、光の表現はもう粒ではなくなって一筋になっています。

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加藤:浦の星女学院を訪れた9人が海岸へと向かっていくところのちょっと長い曲がありまして、あそこはシーンを観ていきながら思いつくままにピアノをどんどん弾いていくことで、自然に生まれていった楽曲です。紙飛行機を手にした千歌ちゃんが振り返ったところに、僕の身体が勝手に1期のメインテーマのメロディをほしがって。入れてみたらすごくぴったりでした。そこはグッときている部分です。あと個人的に好きなシーンは、イタリアで悩んでいる千歌ちゃんに対して果南ちゃんが話をしてくれるところです。あそこは「新しいAqoursを見つけたい」というタイトルの曲が流れていまして、果南ちゃんのセリフに対してすごくシンパシーを感じて作曲していったのを覚えています。

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酒井:全部ではありますが、その中でも今回は1つお話を。杉山さんたち撮影担当の方々が水の描写にとにかく力を入れてくださいまして、エンディングの波打ち際のシーンがあるんですけれども、あそこは最終的にデータを出力するレンダリングという作業に相当時間がかかっているんです。

 

杉山:レンダリングというのは、録画した番組をDVDなどにダビングするような工程と考えていただければと思います。それが大体4分くらいのシーンに対して、1400時間かかりました。それでも、Aqoursの物語の締めに海をもってくるのならば最高のものを用意するべきだと考えて、時間を費やしています。

 

酒井:本当にスタッフ陣のたくさんの時間と手間がかかっていますので、ぜひ注目してみていただければ嬉しいです。

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――本日はありがとうございました。最後にひと言ずつお願いします。

 

杉山:今日話ができたのはほんの一部で、撮影処理で物語上の演出的な意図を込めたカットは多数あります。ぜひ何度も観ていただいて、探してみてください。

 

加藤:ここにいる3人以外にもたくさんの方が関わって、本気で『ラブライブ!サンシャイン!!』を愛して作ったものがこの劇場版です。ぜひ何度も劇場へ足を運んでいただきたいですし、2月27日に発売になるサウンドトラックも聴いていただきたいと思います。これからも末永くみなさんに楽しんでいただける作品になったらいいなと思います。

 

酒井:今回の舞台挨拶は、実は元々の予定にないイベントでした。ですがこの沼津の地で、沼津の方々と、作品を愛してくださる方々に舞台挨拶という形でお礼を言いたいと思って相談をしたところ、配給会社の松竹さんが進めてくださりました。そして加藤さん、杉山さんまで集まってくださり、ここに3人で立つことができました。本当に感謝しています。

みなさん本当に、ありがとうございます。

 

 

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◆劇場版オリジナルサウンドトラックが2月27日発売!

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ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow

オリジナルサウンドトラック

Sailing to the Rainbow

●2月27日発売

●価格:3500円(税別)

●発売元:バンダイナムコアーツ

 

 

◆冒頭7分大公開! 沼津の街並みを背景にAqoursが踊る「僕らの走ってきた道は…」のダンスシーンを要チェック♪

 

 

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The School Idol Movie Over the Rainbow 
Comic Anthology 3年生

発売日:2019年1月7日発売
定価:本体880円+税
原作:矢立 肇
原案:公野櫻子
キャラクターデザイン:室田雄平
[表紙イラスト]
みやびあきの
[参加作家]
シナリオ:下井晋太朗
漫画:2C=がろあ、杏乃、中音ナタ

 

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ラブライブ!サンシャイン!!
The School Idol Movie Over the Rainbow 
Comic Anthology 1年生

発売日:2019年1月21日発売
定価:本体880円+税
原作:矢立 肇
原案:公野櫻子
キャラクターデザイン:室田雄平
[表紙イラスト]
とみを
[参加作家]
シナリオ:下井晋太朗
漫画:藤原ゆか、みやびあきの、中音ナタ

 

ラブライブ!サンシャイン!!
The School Idol Movie Over the Rainbow 
Comic Anthology 2年生

発売日:2019年2月4日発売予定
予価:本体880円+税
原作:矢立 肇
原案:公野櫻子
キャラクターデザイン:室田雄平
[表紙イラスト]
しぐれうい
[参加作家]
シナリオ:下井晋太朗
漫画:たいら茶織、水道水、中音ナタ

 

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【関連HP】
・『ラブライブ!サンシャイン!!』公式サイト
・『ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow』特設サイト
・『ラブライブ!』公式ツイッター
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2019年2月19日(火)

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